新年度の準備や年度末の事務処理など、園長先生や管理職の皆様におかれましては、一年で最もお忙しい時期をお過ごしのことと思います。

こども家庭庁の創設以降、保育業界を取り巻く環境はかつてないスピードで変化しています。特に令和8年度に向けては、制度の本格運用や加算の要件変更が重なる「変革の年」です。

「制度が複雑すぎて、自園でどの加算が取れるのか分からない」
「配置基準の見直しに伴う人件費の増加に、どう対応すべきか悩んでいる」

そんなお悩みを抱える先生方に向けて、教育事業や保育業界の総合商社で10年以上、現場の運営を支援してきた桑園みらい行政書士事務所が、最新のデータと国の動向をもとに、今後の園経営を安定して進めるための具体的な道筋をお伝えします。

こども家庭庁が推し進める「保育の質」と「処遇改善」の現在地

現在、国の保育政策は大きな転換点を迎えています。待機児童問題が一部の地域を除いて沈静化する中、政策の主眼は「少子化対策」と「保育の質の向上」へ明確にシフトしました。

こども家庭庁のデータによれば、全国的な少子化の進行により、定員割れを起こす園は年々増加傾向にあります。札幌をはじめとする北海道エリアにおいても、地域ごとの子どもの減少スピードには差があり、これからの園経営は「いかに多くの子どもを受け入れるか」から、「いかに質の高い保育を提供し、選ばれる園になるか」へ舵を切る必要があります。

その「質」を担保するための強力なインセンティブとして設計されているのが、各種の「加算」制度です。

【重要】配置基準の見直しに伴う「人件費増」と「加算」の損益分岐点(データ分析)

令和6年度の報酬改定から段階的に進められている配置基準の改善は、園の財務・労務に直接的な影響を与えます。

・1歳児:6:1の基準を満たした上での、5:1の配置改善加算による財政支援
・3歳児:20:1から15:1への基準変更(当面は経過措置あり)
・4・5歳児:30:1から25:1への基準変更(当面は経過措置あり)

これらの一連の流れは、総じて「保育士の増員による人件費の増加」を意味します。国はこれに合わせて公定価格を引き上げていますが、注意すべきなのは「公定価格の増額分」と「実際の採用・維持コスト」のギャップです。

給与だけでなく、社会保険料、賞与、そして札幌圏のような競争の激しいエリアでの採用経費(求人広告費や紹介手数料)を含めると、保育士を1名追加採用するコストは跳ね上がります。加算による増収分だけで、これらのトータルコストを本当に賄えるのかどうかというシミュレーションが不可欠です。

例えば1歳児の5:1配置改善加算を取るために、無理に高い採用経費をかけて人員を補充した場合、単年度の収支で見ればかえって赤字になってしまう「加算貧乏」に陥るリスクもあります。

先生方に求められるのは、自園の現在の職員数、残業時間、有休消化率などの客観的なデータに基づき、「今年は経過措置期間としてゆっくり体制を整える」のか、「今年度から一気に採用を進めて加算を取りにいく」のか、損益分岐点を見極めた冷静な判断です。

2026年(令和8年)本格スタート!こども誰でも通園制度の現場のリアルな声と対策

令和8年度の目玉とも言えるのが、こども誰でも通園制度の本格実施です。就労要件を問わず、すべての子育て家庭が保育所等を利用できるこの制度ですが、先行して試行的事業に取り組んでいる園からは、現場の切実なデメリットや課題の声が多く挙がっています。

現場の保育士が直面する高すぎるハードル

最も多く聞かれるのは、現場の保育に関する声です。通常の入園であれば数週間かけて行う「ならし保育」の期間を持てないまま、いきなり乳幼児をお預かりすることになります。 さらに、利用時間にも制限があるため、子どもが園の環境や先生に慣れる前に帰る時間がきてしまい、結果として「お預かりしている間ずっと泣き続けている」というケースも少なくありません。泣いている子どもにスタッフがつきっきりになることで、他の園児への保育にしわ寄せがいってしまうという深刻なデメリットが報告されています。

費用対効果が見合わない実情

また、費用面についても厳しい声があります。制度改定に伴い、次年度から補助金額が一定額引き上げられる見通しではあるものの、現場の先生方にかかる多大な労力や精神的負担に見合うだけの「メリット」と言える金額には、まだまだ届いていないのが実情です。

デメリットを越えて得られる園のメリットとは

このような多くの課題がある中で、それでも園がこの制度に取り組むメリットはどこにあるのでしょうか。 それは、未就園児を持つ家庭との「最初の接点」を持てるという点に尽きます。定員割れが懸念される今後の保育業界において、地域の保護者と関係性を築き、定期的な利用や兄弟姉妹の正規入園につなげる「園のファン作り」の機会としては非常に有効です。

新制度導入を成功させるための実務と備え

現場の負担と将来のメリットのバランスを取るためには、制度導入前に徹底した準備を行うことが不可欠です。

・短時間利用で泣いてしまうお子様への対応方針の共有
・専用の利用契約書や、保護者へリスクを伝える重要事項説明書の作成
・既存の先生方に過度な負担をかけないためのシフト組みと労務管理

これらを現場の先生方に丸投げするのではなく、園長先生をはじめとする管理職がいかにスムーズな事務フローとルールを構築できるかが、制度導入成功の鍵を握ります。

桑園みらい行政書士事務所が提供する「伴走型」サポート

複雑化する制度の中で、加算の取りこぼしを防ぎ、新しい制度にいち早く対応するためには、専門的な知見が不可欠です。しかし、園長先生が日々の業務の合間を縫って、分厚いこども家庭庁の資料を読み込み、シミュレーションを行うのは現実的ではありません。

事務負担を減らし、保育に専念できる環境を

・「自園の現在の体制で、加算を取るメリットとデメリットを数値化してほしい」
・「配置基準変更に向けた、今後の加算取得の方向性を相談したい」
・「誰でも通園制度の導入に向けた契約書の整備を任せたい」

このようなお悩みがありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。 桑園みらい行政書士事務所は、北海道内の園を中心に、先生方が「保育の質向上」という本来の業務に全力で向き合えるよう、確かなデータと実務経験に基づき、サポートいたします。

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